兵庫県姫路市で毎年秋に行われている「灘のけんか祭り」
お祭りの歴史や雰囲気、2018年の日程などについて調べました。
灘のけんか祭りとは
灘のけんか祭りとは、兵庫県姫路市白浜町の八幡松原神社で毎年10月14日~15日に開催されるお祭りのことです。「灘のけんか祭り」は通称で、正式名称は「松原八幡神社秋季例大祭」です。
兵庫県の重要無形民俗文化財に選定されている上に、祭り中の太鼓の音色が「日本の音風景百選」に選ばれています。
一番の見どころは、通称にもある通り、「神輿を破壊するくらいのぶつかり合い」です。実際にお祭りの習わしとして、「神輿を破壊すればするほど神事に沿う」とのことで、お祭りのぎ行事以外の場所でも、所かまわずぶつかり合い、祭り中のボルテージは増すばかりです。
その中でも、祭りの2日目(15日)に行われる、「御旅山での練り合わせ」は激しさの頂点を極めます。
毎年の参加者は15万人以上と言われ、外国からの客も大勢います。動画でみるとものすごい人と、ものすごい迫力です。
お祭りの歴史
灘のけんかまつりは、原型を辿れば800年以上の歴史を持つお祭りです。始まりは平安時代とも言われており、現在のように激しいまつりではなく、時代が経つにつれ少しずつ激しくなっていったようです。
平安時代~:祭りの原型「放生会」
灘のけんかまつりの原型は「放生会(ほうじょうえ)」と言われています。放生会とは、仏教でいうところの「殺生戒(殺生禁止)」に沿って、捕らえていた鳥や魚などを生きて放す儀式です。けんか祭りのイメージからはかけ離れますが、当時、多くの八幡神社ではこの儀式が行われていました。
現代でも、放生会を祭事で行っています(写真は祇園放生会の様子)
奈良時代後半~室町時代:松原八幡神社完成!
奈良時代に、現在灘けんかまつりが行われることになる松原八幡神社が建造されます。この神社に、当時の播磨の守護大名の命によって、近くの御旅山の本殿まで米俵200俵を担いでを贈呈したことを記念して、放生会と同じく、太鼓などを使用したお祭りが開催されるようになります。
江戸時代~近代:祭りは賑やかに!
江戸時代に入ると、屋台などを使用して祭りはどんどん賑やかになります。そして現在のように神輿を使ってぶつかり合う祭りへと変化していきました。
ちなみに、「ぶつかるほどいい」の由来は、「古事記」や「日本書紀」における「神功皇后の三韓征伐(卑弥呼などがいた時代の朝鮮討伐)」の際に、現在の兵庫県姫路市白浜町の近くに軍船が停泊しました。この時、軍船同士をこすり合わせて牡蠣を落としたという故事から、神輿を軍船にかけてぶつけ合うと神事に沿うとのことです。
日程
開催日 | 10月14日(日)~15日(月) |
開催場所 | 松原八幡神社、御旅山周辺 |
マップ | |
お問い合わせ先 | 079-245-0413(松原八幡神社) |
特機事項 | 雨天決行
ただし、かなりの荒天の場合は順延の場合もあるので台風などが近い場合は事前に確認しましょう。 |
灘のけんかまつり。すんごい人やねんで。こんな感じ。
これは三台の屋台が練り合わせと言って、少し当てながら上げるのよね。最近は担ぎ手が少なくてたいへんらしい。 pic.twitter.com/RIaGE6NmNs— マイアサウラぐっち (@karatsu91) September 26, 2016
当日の流れ
1日目:宵宮 11時 ~ 16時30分
1日目の祭りは「宵宮」と言って、灘地区にある東山、木場、松原、八家、妻鹿、宇佐崎、中村の7つの村から「祭り屋台」が登場し、町のいたるところでぶつかり合い(練り合わせ)を行います。日没まで無作為に行われ、日が暮れると提灯をつけて各村に引き返します。
1日目!宵宮のけんかまつり!!
2日目:本宮 9時 ~ 17時40分
2日目の祭りは「本祭り」と言って、新たに3基の神輿が登場します。この神輿には松原八幡神社の神様が乗っており、それぞれ下記のようになっています。
一の丸 | 応神天皇(おうじんてんのう) |
二の丸 | 神功皇后(じゅんぐうこうごう) |
三の丸 | 比咩大神(ひめおおかみ) |
この3基が参戦することで、祭りはより激しくなります。1日目と同じく、街中を村の祭り屋台とぶつかり合った後、松原八幡宮から1kmほど離れた「御旅山」へ、昔米俵を担いだように、神輿を担ぎ、山頂でけんか祭りのクライマックスを迎えます。動画にあるように、ものすごい迫力が伝わります。
けんか祭りのクライマックス!!「御旅山」の山頂!!
アクセス
<電車の場合>
松原八幡神社・・・山陽電車・白浜の宮駅下車後、徒歩5分程度で到着
当日は直通特急・特急が臨時停車しますので注意して下さい
<車の場合>
花田ICを降りて20分程度
灘のけんかまつりでは無料駐車場などの設置は行われないため、車で会場に向かわれる方は付近の有料駐車場をご利用ください。
<交通規制について>
多くの場所で練り合わせが行われているため、当日はもちろん交通規制があります。特に車で付近までアクセスされる方は事前に確認しておいたほうがよさそうです。
最後に
いかがでしたか?
灘のけんかまつりは、「死ぬまでに 一度は見ておけ 灘まつり」と言われるほど圧倒的な迫力をもつお祭りです。
足を運ばれる方は、準備をしっかりして(特にけがをしないように)参加しましょう。